会社を大きくするには、銀行からの融資がかかせません。銀行は、企業を格付けして、その格付けによって、お金を貸すか貸さないか、金利をどのレベルに設定するかを決めています。以前は銀行の支店長と仲が良いとか、社長の人柄か良いからとか、社長が仕事熱心であるとか、銀行から会社に依頼される預金などへの協力度が高いからとか、このようなことが融資を受ける場合、大切であると思われていたようです。最近では、このような事はどうも通じなくなってきているようです。
情緒的で標準化できない基準が融資の可否に影響を与えていため、銀行の支店によって、あるいは担当者によって、融資の審査基準が非常にあいまいになることもあり、そのようなことも銀行が大量の不良債権を持つことになった原因の一つであったと考えられるようになっているようです。
融資を受ける場合、直前3期の財務内容による会社の格付けが全てになってきています。もちろんこれ以外にも、会社と役員の過去の金融上のトラブルとか、粉飾決算をしているかどうかなどのチェックもされます。もちろん所得税や消費税の滞納があると100%融資はだめになります。その他所在地の変更や代表者の変更状況なども影響がありますが、直前3期の財務内容が会社の格付けの全てになっているようです。
決算書に基づく格付けは、銀行に対して強大な権限を持っている金融庁の考え方なので、銀行は、例外なく決算書を中心に格付けを行っています。そして、その格付けによって、融資の可否と条件が決まるようです。資金調達を考える経営者は、このことを忘れてはいけません。